エリアターゲティング

IPアドレスで地域をある程度特定出来るとは知りませんでした。
知識不足です。
さらに、この技術は特許化されてるのですね。
ネット広告業界は良く知りませんが、強力なツールのような気がします。
携帯からの特定も特許を取っているのは、すばらしい。
iPhoneなどのスマートフォンがこれから拡がることが予測できるため、可視性が限られる状況でのネット広告は、結構効果があるのでは。
PCと携帯。ネットを見る感覚が微妙に違う気がすることは、もうちょっと分析するとおもしろそうだ。

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 エリアターゲティングとは、Webサイト運用者や、バナー広告などを配信するアドサーバーの運用者が、Webサイト閲覧者の地理的な場所を識別して、特定の地域からのアクセスに対してだけ特別な情報を配信したり、地域に応じて異なる情報を配信し分けること。例えば実店舗を持つ企業が、商圏を限定して商品やサービスのネットプロモーションを展開する場合に、広告を配信する地域を絞り込むのが典型的な使い方である。Webサイト閲覧者の地域の特定には、IPアドレスなどを利用する。ジオターゲティング、地域ターゲティングとも呼ぶ。

 ブラウザーがWebサイトにページを要求する「HTTPリクエスト」信号には、アクセス元のIPアドレスが含まれている。家庭からインターネットにアクセスする消費者のほとんどは、加入しているプロバイダー(ISP)から割り当てられたIPアドレスを使っており、プロバイダーは地域ごとにIPアドレスの割り当て範囲を決めていることが多い。このため、IPアドレスを基にアクセス元の地域を、ある程度までは特定できる。また、日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)など、各国の公的な管理組織が自国内に割り当てるIPアドレスの範囲を管理しているので、アクセス元の国をIPアドレスから識別することが可能である。

 Webサイトの表示や広告の配信をWebサイト閲覧者の場所に応じて実際に切り替えられるようにするには、IPアドレスと国・地域・都市などとの対応データベースが必要である。世界各地にこうしたデータベースを作成・維持する専門会社があり、そこのサービスを利用すると、自前のデータベースを整備しなくても済む。例えば日本国内では、サイバーエリアリサーチが、IPアドレスと国・都道府県との対応データベース「SURFPOINT」をライセンスまたはASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)方式で提供している。

 一方、インターネットに専用線で接続している企業からのアクセスは、IPアドレスで地域を特定することはできない。ただし、IPアドレスドメイン(nikkeibp.co.jpなど)、ドメイン所有組織名(企業名)との対応データベースを整備すれば、企業名などは特定できる。サイバーエリアリサーチは、企業の本社住所まで組み合わせたデータベースも提供している。

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同社がWebサイトの刷新時に取り入れた技術。それがエリアターゲティングだ。サイバーエリアリサーチ(静岡県三島市)が提供するIPアドレスデータベース「SURFPOINT」を導入し,アクセスしてきたユーザーの地域を判別。表示するコンテンツをユーザーの地域によって切り替える仕組みを整えた。

 エリアターゲティングと不動産業の相性は確かにいい。大阪に住む人に東京のマンションを積極的に薦めても,転勤する人などでもない限り反応することはない。エリアを限定することでコンテンツや広告の効果は飛躍的に向上する。

 エリアターゲティングに注目する業界は不動産だけにとどまらない。現在,飲食店や金融機関,EC(電子商取引)サイトなど,さまざまな業界でこのエリアターゲティングに注目が集まっている。

 例えば,全国で洋服を販売するECサイトでエリアターゲティング技術を活用すれば,同じタイミングでも,北海道からアクセスしてきた人には長袖の服を,沖縄からアクセスしてきた人には半袖の服をお薦めすることが可能になる。

 また,エリアと天気情報などをひも付けてコンテンツを差し替えることも可能。実際,キリンホールディングスの「キリンブランドについて」のコーナーでは,IPアドレスからアクセスした人のエリアを判定し,その場所の天気情報に合わせて,雨が降っているときは雨が降っている背景,晴れているときは晴れている背景と画像が変化する仕組みを取り入れている。アクセスする時間帯や季節でも背景画像は変化する。

 インターネットはそもそも既存のメディアと異なり,県境や国境というエリアの概念を壊した存在。その可能性に多くのユーザーが歓喜し,また,企業が参入して,発展を遂げてきた。それが,ここにきて,あえて“境界線”を引くことで新たな価値が生まれ始めている。

 ところがここに,意外なプレーヤーが存在する。

 IPアドレスを基にエリアターゲティングを行う特許は,実はニュースサイト「J-CASTニュース」を運営するジェイ・キャストが持っている(特許第3254422号「ウェブページ閲覧方法およびこの方法を用いた装置」)。この事実を知ったとき,正直,なぜニュースサイトの運営会社がこんな特許を?とびっくりしたが,取材してみて疑問はすぐに氷解した。

 「エリアという概念がなかったのが長らくインターネットの弱点だった」と語るジェイ・キャスト社長の蜷川真夫氏は,元朝日新聞でアエラ編集長経験者。「新聞だってテレビだって,全国一律のコンテンツや広告が流れているわけではなく,ローカル番組やローカル広告が入っている」(蜷川氏)と語る。インターネットではなぜそういった広告がないんだろう,と思ったのが特許を申請するきっかけだったという。

 考えてみれば,確かに新聞やテレビ,そしてラジオにはローカルコンテンツやローカル広告がある。私の出身地である宮崎では,電器屋さんの店舗の前に店主が立った画像とBGMだけというシンプルなローカル広告がよく流れていた。

 ジェイ・キャストはこの特許におけるライセンス契約を現在,先述のサイバーエリアリサーチのほか,ダブルクリック,サイバーウィングの3社のみと締結している。同社は今後,ライセンス契約を進めていく考えを示しており,特許の存在を知らずにエリアターゲティングの機能を使っている企業は対応を迫られるかもしれない(上記3社のクライアント企業を除く)。

 最後に同社が持っているさらに隠れた財産を紹介しよう。それは1999年5月20日に出願して2008年3月28日に登録された「ウェブ情報提供方法およびウェブサーバ」(特許第4101394号)。これは簡単にいうと,携帯電話から利用するインターネットにおいて,基地局が端末に割り当てるIPアドレスや識別IDから,端末の接続されている基地局を判別し,基地局が属する地域に対応したコンテンツを送信するというもの。

 ジェイ・キャストはこれら二つの特許に関し,台湾,韓国,中国でも既に特許を取得している。今後,携帯電話事業者をはじめ,コンテンツプロバイダーや広告代理店などは同社の動向を見守る必要がある。